大学職員に受かるための志望動機
こうしてブログを書いている今日という日、感慨深いものがあります。なぜなら、私は大学職員採用試験に合格するまで、実に5年の歳月を費やしたからです。5回目ですよ、5回目。笑い話にもなりません。今日は、このテーマについて、私が長い時間を経て、ようやく掴んだ大学職員採用試験突破の鍵、特に「志望動機」について、私の経験に基づき、皆さんに共有したいと思います。
あなたは大丈夫?不合格を繰り返す日々
今、この記事を読んでいるあなたは、きっと大学職員を目指している方でしょう。もしかしたら、私のように何度も不合格を経験し、心が折れかけているかもしれません。「また今年もダメかも…」そんな不安が頭をよぎる日々かもしれませんね。 大丈夫、私がそうでしたから。
4年間の書類選考落ちて見えてきた原因
最初の受験から4年間、私は毎年、書類選考で落とされていました。面接にすら進めないのです。自己PR、職務経歴、そして志望動機…一生懸命書いたつもりでした。大学の理念や事業内容も研究し、大学のウェブサイトも隅々までチェックしました。OB・OG訪問もしましたし、大学職員向けのセミナーにも積極的に参加しました。 それでも、結果はいつも同じ。「不合格」。
原因は、今振り返れば明確です。当時の私の志望動機は、表面的で、大学への熱意が全く感じられなかったのです。
「大学で働くことに憧れがあり…」 「学生時代から〇〇大学に愛着があり…」 「大学職員として、学生の成長をサポートしたい…」
どうです? どこかで聞いたことのあるような、典型的な志望動機ですよね。もちろん、これらも間違いではありません。大学職員を目指す理由として、十分にありえます。 しかし、採用担当者の心に響くかというと、それはまた別の話です。数十、場合によっては数百の応募書類に目を通す採用担当者は、このようなありふれた志望動機を何度も目にしているはずです。没個性的な志望動機は、その他大勢に埋もれてしまい、読んでもらえないのです。
志望動機と徹底的に向き合う
4年間不合格が続いた私は、さすがに自分のやり方を見直す必要があります。そう考えました。そして、5回目の受験に向けて、私は志望動機と徹底的に向き合うことにしたのです。
まず、自分自身に問いかけました。「なぜ、私は大学職員になりたいのか?」と。
「安定しているから?」「福利厚生が良いから?」「休みが多いから?」「大学というブランドに惹かれるから?」
心の中の声に、正直に耳を傾けました。もちろん、これらの要素も大学職員の魅力の一つです。否定はしません。しかし、もし、私の志望動機がこれらの表面的な理由だけに基づいているのなら、それは採用担当者に見透かされてしまうだろうと思いました。
本当にやりたいこと、貢献したいこと
本当にやりたいことは何なのか? 大学職員として、大学にどのような貢献をしたいのか? 学生や社会にどのような価値を提供したいのか?
自問自答を繰り返す中で、ある出来事を思い出しました。
大学の抱える問題と変革の必要性
それは、私が大学4年生の時です。所属していたゼミの教授が、学術の世界を去ることになったのです。理由は、研究費の獲得が難しくなったこと、そして大学の運営組織との考え方の違いが深まったことなど、多くの要因が絡み合っていたようでした。
研究室の送別会で、教授は寂しそうに、しかし穏やかな表情で語りました。「私は、研究者としての私の旅を終えるが、君たちにはまだ未来がある。大学は、社会の宝だ。大学が発展しなければ、未来はない。君たちが大学を支え、より良いものにしてくれると信じている。」と。
教授の言葉は、当時の私に深く突き刺さりました。大学は、研究・教育機関であると同時に、多くの困難を抱えている組織でもある。教授は、その内部の問題に苦悩し、大学を去らざるを得なかった。
大学の問題は、研究費不足や運営体制だけではありません。少子化による学生数の減少、グローバル化への対応、デジタル化の遅れ、地域社会との連携不足、財政的な制約…挙げればきりがありません。
大学は、組織として、変革期を迎えているのです。
大学職員は、ただ日々の業務をこなすだけでなく、大学の未来を担い、変革を推進していく存在でなければならない。教授の言葉を思い出す中で、そう強く感じるようになりました。
大学の変革への貢献
そして、私は気づいたのです。私が本当にやりたいことは、大学職員としての志望動機は、大学の変革に貢献することなのだと。
学生のために、地域社会のために、そして未来の社会のために、大学をより良くしたい。そのためには、大学の内部から変革を支え、新しい価値を創造していく大学職員の仕事は、非常に意味のある、やりがいのある仕事ではないか。
それが、私の本当のモチベーションでした。
徹底的な情報収集と自己PRの強化
それからの私は、過去の自分とは根本的に変わりました。大学のホームページや大学概要を改めて丁寧にチェックし、大学が今直面している問題や大学の未来戦略について、深く研究しました。大学が主催するシンポジウムやイベントにも積極的に参加し、大学の関係者の話に耳を傾けました。
そして、5回目の受験で提出した志望動機は、以前とは全く違うものになりました。
〇〇大学が今直面している〇〇という課題に対し、私の〇〇という経験やスキルを活かして、どのように貢献できるのか。大学の未来戦略である〇〇を実現するために、大学職員として、どのような役割を担いたいのか。具体的なエピソードを交えながら、熱意を言葉で表現しました。
もちろん、ただ熱意をアピールするだけではありません。以前の職務経験で培った問題解決能力やコミュニケーション能力、そして企画力など、大学職員として必要なスキルを、具体的なエピソードを用いて説明しました。大学の理念や教育ポリシーを理解していることはもちろん、大学職員として法令遵守や倫理を守り、責任ある業務を遂行する意識があることも、強調しました。
経験と思いに基づく真実の言葉
面接でも、志望動機について深く掘り下げられました。しかし、私は自信を持って答えることができました。表面的な言葉ではなく、自分自身の経験と思いに基づいた、本当のモチベーションを語ることができたからです。
ついに合格!5年間の努力が実を結ぶ
そして、ついに、合格通知を手にすることができました。長かった、本当に長かった5年間でした。通知を見た瞬間、全ての苦労が報われたような気がしました。
大学職員としての充実した日々
大学職員になってからの日々は、期待通り、充実した毎日です。学生の成長を間近で見守り、大学の発展に貢献できることに、大きな喜びを感じています。教授が言っていたように、大学職員の仕事は、社会の宝である大学を支え、未来を創る、非常に意義深い仕事です。
あなた自身の言葉で、真のモチベーションを
最後に、今、大学職員を目指しているあなたに伝えたいことがあります。
志望動機は、単に書類選考を通過するためだけのものではありません。あなたが大学職員として、どのような仕事をしたいのか、どのような価値を提供したいのか、そしてどのようなキャリアを歩みたいのかを示す、大学への第一歩なのです。
ありきたりな言葉ではなく、あなた自身の言葉で、あなた本当のモチベーションを語ってください。大学のホームページや大学概要を研究することはもちろん大切ですが、それ以上に、なぜあなたが大学職員になりたいのか、自分自身と深く向き合ってください。
あなたの熱意は、必ず大学に届きます。自信を持って、夢を追いかけてください。
この記事が、大学職員を目指す皆さんのお役に立てれば幸いです。